今回は、切り絵のようなイメージで
かわいらしい絵を描きました。
ずっと「家」のある絵を描いてみたいなと思っていました。
森がよいか、リアルがよいか、、、
などとあれこれ考え
こんな感じに仕上がりました。
私は絵を描き始めた頃から
カンディンスキーという画家に影響を受けてきました。
カンディンスキーは1866年ロシア出身で
抽象絵画の先駆者とされています。
1910~1930年頃まで、
「ロシアアバンギャルド」という芸術運動が起こりました。
ロシア革命のさなかです。
第一次世界大戦後、
国内の経済状況や貧困、飢えなどにより
起こったロシア革命。
芸術も改革が始まったのです。
「プロパガンダ」と言って
政治的宣伝のために、
ひと目で分かりやすい絵や字を使った
現在のポスターなどは
ここから発展していきました。
また、美しさを求めた「貴族の芸術」から
生活に役立つ「身近な芸術」「考え方を変える芸術」
という思考に変わっていきます。
鉄やガラスなどの工業製品を取り込んだ作品が作られるなどし、
それらは「ロシア構成主義」と呼ばれました。
その他にも「シュプレマティズム」という手法では、
対象を持たない(⇔抽象的)ことで、
ミニマリズムやコンセプチュアル・アートを開拓していきます。
カンディンスキーはそんな芸術運動の中心にいました。
そしてもう1つ、1919年ドイツに
ドイツでは「バウハウス」という
美術や建築の総合芸術学校が創設されました。
合理的、機能主義的な芸術を教育の主とし、
無駄を省いた「モダニズム」のさきがけとなりました。
合理的なデザインは特に工業の分野で発展し、
100年を過ぎた現在も、
その考え方が元になっています。
カンディンスキーは1922年から1933年まで、
バウハウスで教鞭をとったそうです。
カンディンスキーの生きた時代は、
美術史においてもすごい時代だったのですね。
そんなカンディンスキーの絵画からは、
音やリズムが聞こえてくるようにも見えます。
100年前にどんな音を奏でていたのか、
想像が膨らみます。
今回は、カンディンスキーへのオマージュ作品でもありました。
改めて美術の歴史も感じることができました。
みなさんも気になる作家がいたら、
その歴史的背景なども調べてみると
より絵画が楽しくなるかもしれません。